食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)

2014年5月12日付で「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」が改正されました。今回の改正のポイントは、グローバル化する食品の流通を考慮し、従来の指針にはなかったHACCPの考え方を取り入れたことにあります。

<各国の状況>

米国 1997年より、水産食品、ジュース、食肉、食鳥肉について、順次、HACCPを義務付けています。2011年1月に施行された「米国食品安全強化法(Food Safety Modernization Act/FSMA)」に基づき、バイオテロ法の登録施設(※)を対象にHACCPの基本原理を取り入れた予防的管理措置が義務付けられました。ただし、義務化の時期等は未定となっています。

(※)米国内でヒトや動物の消費に供するための食品を製造、加工、包装、保管する米国内外の施設は、バイオテロ法305条の規定に基づき、03年より、FDAに登録することが義務付けられました。

EU 2004年4月に採択されたEC規則852/2004により、2006年1月以降、加盟国における一次産業段階を除くすべての食品について、HACCPを義務付けています。小規模事業者や食品取扱手順が定型的な形態の食品等には、HACCP原則に関する「柔軟性(Flexibility)」が認められています。

また、安全な食品の提供が確保されている限りにおいて、各国の状況や食品の特性、リスクに応じて、HACCPの義務化へのプロセスや方法、厳格性等の運用は各加盟国に委ねられています。

カナダ 1992年より、水産食品、食肉、食肉製品について、順次、HACCPを義務付けています。
オーストラリア 1992年より、輸出向け乳及び乳製品、水産食品、食肉及び食肉製品について、順次、HACCPを義務付けています。
韓国 2006年より、魚肉加工品、冷凍水産食品、冷凍食品などについて、順次、HACCPを義務付けています。
台湾 2003年より、水産食品、食肉製品、乳製品の加工品について、順次、HACCPを義務付けています。

HACCPを輸出要件として義務付けるなど、貿易上必須条件になりつつありますが、日本では法律の中でHACCPが取り入れられているのは「総合衛生管理製造過程承認制度(いわゆる「マル総」)」だけであり、しかもこれは任意の制度となっています。つまり日本ではHACCPは法的に義務化されていません。

このような世界の潮流を受けて、安倍内閣では昨年「日本再興戦略~JAPAN is BACK~」において、日本の食品の安全・安心を世界に発信するため、HACCPシステムの普及対策を進めることを閣議決定しました。

今回の指針ではHACCP義務化までは言及していませんが、従来型基準とHACCP導入型基準の2つの指針を示し、事業者はどちらの考え方でも選択できるようにしてあります。HACCP導入型の指針には、HACCPの7原則が明確に記載されています。

選択肢として2つ示してありますが、行政側としては、出来るだけHACCP導入型基準を活用するように監視指導していくとのことです。ただ、監視指導に当たっては施設設備の変更まで求めるものではなく、また、専門的な知識が必ずしも十分でない食品事業者も少なくないことから、きめ細やかな指導助言を行っていく方針とのことです。

また、この指針はHACCP導入型基準又は従来型基準のいずれかとするものとなっていることから、仮に食品衛生法第50条第2項(条例で定められた衛生基準)に対して違反となるのは、この2つの基準のいずれも満たしてない場合とのことであり、HACCPを実施していないからNGになるということではありません。

今回の改正指針を受けて、各地方自治体は、条例に本指針の考え方を落とし込み、条例の改正を進めることになります。(来年4月1日施行予定)

食品等事業者が実施 すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)は、厚生労働省のホームページより取得できます。

» 厚生労働省ホームページ:食品等事業者の衛生管理に関する情報

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